膝痛で来院している方に「先生、私の膝、水は溜まってないですか?」と聞かれる事がよくあります。今月は「膝の水」について解説してみたいと思います。

膝の水は関節液と呼ばれる水分です。ヒアルロン酸を多く含み膝関節がなめらかに動くようにする潤滑油の役目と膝の関節軟骨に酸素や栄養を補給する役目を果たします。

まずは、膝の水は誰にでもあるもので肺や心臓にたまる水のように病的な異常ではないという事をご理解ください。ですが、皆さん気にされるように膝痛で来院される患者さんの何割かの方はたしかに膝が腫れています。

何らかの膝関節障害により膝の内部が炎症をおこし、関節の内側にある関節液を作る滑膜まで炎症が及び多量に関節液が分泌されているためです。その状態を「関節水腫」と言います。この多量に溜まった関節液を注射で抜くかそれ以外の方法で治すかが膝関節の治療で重要な分かれ目となってきます。(次回は治療の話をします。)