中年以降の女性の患者さんに見られる脚のトラブルでO脚変形というものがあります。脚が外側に開き、膝と膝の間に隙間ができた状態です。脚の内側の隙間をアルファベットの「O」に見立てO脚変形と呼んでいます。

この状態だと膝の内側に負担がかかり軟骨がすり減り膝関節に痛みを出します。軽症の場合、痛み止めや湿布薬でも炎症は軽減します。中程度の変形でも鍼や関節調整をすることにより痛みの軽減が期待できます。ですが、あまりに変形が強い場合は人工骨頭置換術で膝の骨を丸ごと取り変える手術が必要となる場合もあります。

患者さんと話していていつも感じるのは「年を取ると自然に脚の骨が変形しO脚になってしまうと」思い込んでいる方が多いということです。実は加齢により自然と骨が曲がってしまう訳ではないのです。

ももの内側の筋肉が痩せてきて脚を閉じていられなくなるからガニ股となり、その結果、膝の内側の骨がすり減りO脚変形を形作ります。中年以降のO脚の原因は筋力の低下であると覚えてください。(次回はO脚予防のお話をします。)