鍼術は古来から体の具合をよくする治療ポイント「経穴(けいけつ)」(いわゆる「ツボ」)に鍼で刺激し病気や不調を治す施術方法です。
薬のような副作用がないこと・血液循環の改善・自律神経の調整・免疫の活性化などに注目が集まっています。
かつては時代や国によって位置がまちまちだった経穴ですが、現在、WHO(世界保健機構)は361個のツボに対して世界共通の基準を設け国際化が図られています。
また、WHOだけでなくNIH(アメリカ国立衛生研究所)も鍼灸治療がいくつもの疾患に対して有用であるという声明を出しています。
からだケアさがみの鍼灸施術の特徴は西洋医学にもとづいた近代鍼灸と、東洋医学にもとづいた伝統鍼灸が同時に受けられます。
近代鍼灸 科学的な実験をくり返すことで再現度が高いと認められた解剖学と生理学に立脚した近代的鍼灸術
伝統鍼灸 中国で2,000年以上前に誕生し、6世紀ころ仏教とともに日本に伝わった古典医学書にもとづいた伝統的鍼灸術。数えきれない先人たちが発見した「この場所を施術したらこんな病気が治った。」という膨大な臨床例をもとにあみだされた経験医学。
近代鍼灸・自律神経調整術
自律神経の仕組み
自律神経には2種類の神経があり、交感神経と副交感神経といいいます。
交感神経は運動時や活動時に優位になります。
副交感神経は休息時に優位になります。
体はこの2つの神経が上手にバランスをとって健康を保っています。
自律神経失調症の原因
本来は1日をとおして交感神経が優位な活動時間と副交感神経が優位な休息時間をうまくつり合いをとり生活しています。
ただ現代人の多くは忙しい生活環境、職場や家庭ないでの過度な精神緊張などさざまなストレスにさらされています。
そういった状況では交感神経が優位になりがちです。
自律神経の天秤は交感神経が過剰(イラスト:交感神経が傾きっぱなし)に優位になっています。
つまりリラックスができずに交感神経が過緊張状態にあること、これが多くの方の不調の原因です。
自律神経鍼術の2大特徴
1.体をリラックスモードにする副交感神経を高めます。
2.ストレスなどで高まりっぱなしの交感神経の過緊張をときほぐします。
当鍼灸院では筑波技術短期大学元学長の医学博士・西條一止名誉教授によって開発された微弱鍼通電法を行います。
手や前腕の経穴に鍼を刺し、鍼に微弱電流を1秒間に1回のリズムで10分程度流すことで、とけない交感神経の過緊張をときほぐします。
現・筑波大学において実験と研究を重ねて生み出された鍼施術でとても高い再現性があります。
当院院長佐藤は2008年に西條先生より直々に手をほどきを受け、その効果に驚き当鍼灸院の標準治療としておこなっています。
参考図書 『臨床鍼灸学を拓く科学化への道標』
筑波技術短期大学元学長 名誉教授 西條一止著 発行:医歯薬出版
伝統鍼灸・頭皮鍼施術
頭の経穴(つぼ)が効く理由
古来より頭部は様々な疾患を治すための経穴があると言われています。
また解剖学の見地からも大脳皮質には「機能局在」と呼ばれる体の各部位の機能を支配する領域があります。そのため、大脳皮質に近い頭皮に鍼を刺すことで、脳の情報伝達経路と同じように頭皮から脊髄・大脳へと伝わり、機能局在と対応した全身の体の痛みや不調を解消するよう働きかけます。
頭皮鍼の2大特徴
1.頭部への鍼施術は自律神経系や脳内の神経伝達物質の調整をする作用があるため、自律神経失調症による諸症状や抑うつ傾向・不安感・気力低下などを緩和が期待できます。
2.また、上記の「機能局在」を理由に頭部の経穴(つぼ)に鍼で刺激をすることで「寝違いで動かなかった首が回りやすくなった」「ぎっくり腰で背すじが伸びなくなっていたものがまっすぐに歩けるようになった」など全身の筋肉への疼痛緩和や関節可動域改善が期待できます。
参考図書 『頭皮鍼治療のすべて』
浅野周著 発行:三和書籍